CAの仕事ってルーティーンワークなの?求められるスキル・能力・特性は?
CAはルーティーンワークだよ。
CAを目指している方、CAに興味のある方、ネット上などで、こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
今回は、この問いを皮切りに、CAという職業について深彫りしていきたいと思います。
CAの仕事はルーティーンワーク?
CAの仕事はルーティーンワークなのでしょうか?
結論から言うと、Yesです。
ですが、ルーティーンワークじゃない仕事って何なのでしょうか?
思うに、ほとんどの仕事が少なからずルーティーンワークではないでしょうか?
だって、毎回毎回新しいことをやっていては、疲れてしまいますよね。
ルーティーンとして続けていくからこそ、経験やノウハウが蓄積されて、提供できるサービスや価値の質が上がっていくのだと思います。
ですから、ルーティーンワーク自体は悪いことではないと思うんです。
ルーティーンワークと聞くと、なんとなく単調でつまらないイメージがあると思いますが、
CAの仕事はルーティーンワークの中でも、変化する要素が比較的多い気がします。
たしかに、
出発前のブリーフィング→機内の安全確認→機内サービスの準備→お飲み物の提供→お食事の提供→回収→機内販売→入国書類の配布→……
という基本的な流れは存在しますが、
機材(大型機?小型機?)、行き先(日本?アメリカ?パリ?バンコク?)、メンバー、お客様
など様々な要素が変化するのです。
ルーティーンワーク(決まっている手順、習慣、お決まりの所作 の繰り返し)ではありますが、その中でも変化の多い、刺激的な部分も多いのではないかと思います。
一方で、たしかに客室乗務員の仕事がルーティーンワークといわれるゆえん、というかその雰囲気、すごくわかるんです。
先程も言った通り、ルーティーンワークって、なんというか、単調で面白みのないような、そんな印象ですよね?
では、なぜCAの仕事はルーティーンワークと言われるのでしょうか?
ルーティーンワークのゆえんは、ブランドを守る為の保守性?
その要因の1つは、航空会社はブランド力の上になりたっている、ゆえに、CAの世界は、保守的な空気にならざるを得ないという点だと思います。
航空会社というのは、ブランドです。
JAL、ANA、スターフライヤー、シンガポール航空、それぞれが、ブランドイメージを大切に守ることで、移動手段以上の付加価値を提供しています。
ブランド力を守り、磨いていく、その過程において、保守的な文化は切っても切り離せないものです。
なぜなら、ブランド、特に航空会社の客室乗務員が機内にて提供するブランドの価値とは、
長い年月を経て受け継がれた伝統の積み重ねであり、
いつ、どんな路線の、何便においても、同じ質のサービスを、バラつきなく均等に提供することが求められるからです。
だからこそ、それを体現する集団は、せっかく長い年月を経て築き上げてきた伝統を壊さぬよう、慎重かつ保守的に、物事を進めていく必要があり、
それを体現する個人は、伝統を重んじ、和を重んじ、周りと同じような価値観、考え方で行動でき、ミスなく、抜けなく、確実に業務をこなすことができる そういう力を求められます。
また、客室乗務員の仕事の最重要事項は、安全を守ることであり、
そういう意味でも、ミスなく、抜けなく、という確実性がより一層重視されます。
そういう環境の中で、
和を重んじるあまり、周りと違うものを警戒したり、
ミスや失敗に敏感で、それを悪いものとする文化や、互いに監視し合うような緊張感や息苦しさというのも、たしかにあります。
そういう文化においては、出来ることよりも、出来ないことに注目がいきやすく、
人の評価において、加点方式ではなく減点方式がとられる傾向にあります。
新しいことを考えたり、発想したり、生み出したり、挑戦したり、ということよりも
和を重んじ、ミスなく、安定感があり、確実にブランドを体現できる人こそが、求められる人材なのです。
そして、そのような文化の下、多くの乗務員の努力の積み重ねによって、航空会社のブランドは守られてきたのです。
そういう環境は、
- 不器用な人
- 発想力やクリエイティブに溢れる人
- バランスや安定感はないが、何かに突出した人
- 会社に挑戦(失敗を伴うような未知なるもの)し、失敗を重ねて成長するような環境を求める人
にとっては、
単調で面白みがない、息苦しい、窮屈だ、そう感じる部分もあるかもしれません。
そして、その空気感が、客室乗務員の仕事はルーティーンワークだといわれることのゆえんの1つなのだと私は思います。
CAに求められるスキル・特性
では、今までの話を踏まえ、CAに求められるスキルや特性について、まとめていきたいと思います。
瞬発力/マルチタスク力
いつだか、先輩にいわれたことがあります。
「CAの仕事は、瞬発力が大事だよ」と。
その意味を、日々の業務の中でひしひしと感じています。
マルチタスクの最たるものともいえるCAの仕事において、瞬時に判断し、ものごとに優先順位をつけて行っていく瞬発力は必要不可欠です。
客室乗務員の職場は機内です。
機内でカートをひきお食事を提供していると、コールボタンで呼ばれ、機内温度を調整し、またお食事の提供に戻ると、コールボタンで呼ばれ、飲み物のお代わりを頼まれ、またお食事のカートに戻ると、今度は個人モニターの調子が悪いとの申し出を受け、、、やっとの思いでサービスを終えると、お台所がとっちらかっていて、、、と。
そういう刻一刻と変化する状況の中で、けして複雑ではないけれど、沢山の業務を優先順位をつけて行っていかなければならない、そういう環境が日々の職場です。
整理整頓/器用さ
客室乗務員が新人から成長していく過程において、成長度合いの目安となるスキル、それがお台所周りの業務です。
いかに効率よくお食事のサービスをするカートをの準備を行い、
いかに美しく盛り付けし、
仲間が動きやすいようにサービスに使うアイテムを準備し、
いかに台所を綺麗に保ちながらサービスを進めるか
そういったことを日々磨いていくことになります。
そういう意味で、
『あれをここにいれて、あれは出しやすいようにここにしまって…』
という風に、頭の中で組み立てていく、整理整頓の力、手際の良さは、
成長過程の客室乗務員において、仕事の能力とほぼイコールとみなされます。
素直さ/感じの良さ
客室乗務員の仕事の正解は、人の感じ方の中にあります。
お客様にも、先輩方にも、常に素直・誠実な態度で、感じの良い振る舞いをすることが求められます。
そういう意味で、どんな環境においても(時に理不尽でも)、誠実で感じの良い対応・振る舞いが出来る、忍耐力や柔軟性が背景にあるような素直さが必要なのだと思います。
美意識/センス
客室乗務員の特殊な点の1つに、身だしなみの重要さがあります。
身だしなみは、相手へのおもてなしの表現方法の1つであり、その為、客室乗務員の評価項目の1つでもあります。
身だしなみは、会社に入った後、多くの先輩方から指導を受ける中で、
また美しい先輩方から触発されていく中で磨かれていくものです。
それでも、生まれもった美意識やセンスがある方は、やはり一段と光り輝いているように思います。
接客が好き
客室乗務員の仕事の根幹は、接客です。
どこまでいっても、結局は接客を極めていくということになります。
一人ひとりのお客様との出会いを一期一会と捉え、
- アイコンコンタクト
- 間と留め
- 言葉遣い
- 立ち居振る舞い
- 所作
- 料理やワインのプレゼン
などのおもてなしの表現方法を磨いていくことに意義を見出し、
おもてなしの可能性を信じる心が大切だと思います。