【手話技能検定3級】独学で合格するには?効率的な勉強法の完全版をご紹介
手話技能検定3級って、独学で合格できるの?
A.はい、独学で合格できます!
今回は、手話技能検定3級の試験の全貌や独学で合格するポイント、効果的な学習方法について、解説していきます。
手話技能検定3級の概要
まずは、手話技能検定3級の概要をみてみましょう。
学習時間の目安 | 2年 (約160時間) |
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レベル | 単語数:1000程度、基本例文数:300程度 |
試験日程 | 3月・9月 (年に2回) |
受験料 | 5800円 |
試験内容 | 筆記試験。解答は4択(マークシート)式 |
試験時間 | 80分 |
合格ライン | およそ8割 |
合格率 | 60~70% |
学習時間2年間?いいえ、160時間です!
『学習時間の目安が2年?勉強を始めたばかりだし無理だよ』と思った方、
大丈夫です。2年未満でも、全く問題ありません。
見るべきは、160時間という数字です。
160時間、あなたはどう感じますか?
この数字は、2つの解釈ができます。
・付け焼刃では合格できない試験
・1日10時間勉強すれば16日、1日2時間なら、80日(2か月半)で合格できる試験
つまり、決して簡単な試験ではないけれど、合格すると決め、本気で行動に移せば、3か月で合格可能な試験なのです。
合格ライン・合格率は?
合格ラインは、100点満点中80点以上と言われています。点数配分は公表されていません。
また合格率は2018年第48回71%、第49回59%、2019年第50回68.7%、第51回63.3%、と年によってバラつきがあります。
https://www.shuwaken.org/
手話技能検定3級の試験内容
・問題はすべて、マークシート式の4択です。
・映像は1問につき、基本的には2回流れますが、最後の長文問題の質問文だけが1回のみなので、注意が必要です。
・ビデオ(映像)が終了してから、マークシートに転記する時間があるので、ビデオが流れているうちは、解答を〇するのみにしましょう。
・時間が足りなくなることはありませんので、安心してください。
では、手話技能検定3級の試験内容を細かくみてみましょう。
【Ⅰ】(10問)単語の意味を選択
映像で手話単語の表現をみて、その意味を選択する問題です。
映像》犬
問題用紙》①猫 ②鳥 ③うさぎ ④犬
正解は④
選択肢に長めの似たようなカタカナが並んでいたら、それは指文字の読み取り問題です。
指文字自体は、手話技能検定3級に向けて勉強している方なら、もちろん頭に入っていると思います。
では、、この指文字は何ですか?
今、「な、に、ぬ…ぬ!」とやった方
仲間です。ですが、それだと、試験では間に合いません。
指文字はものすごいスピードで流れます。
手話の学習歴が長く、指文字が完璧に身についている方ならば問題ないかもしれませんが、
それ以外の方は、選択肢の先読みと決め手となる指文字表現のイメージ、そして判断方法の整理これが鍵となります。
映像》?
問題用紙》①エコロジカル ②エコノミークラス ③アスレチック ④アプリケーション
最初に「エ」がきたら、3文字目が「ロ」なのか「ノ」なのかに注目しよう
最初が「ア」だったら、次の文字が「ス」なのか「プ」なのか確認しよう
【Ⅱ】(10問)適する単語を選択
問題用紙の空欄に当てはまる単語を、映像で流れる手話表現の中から選びます。
問題用紙》( )を飲みにきませんか?
映像》①紅茶 ②犬 ③猫 ④うさぎ
正解は①
問題用紙を先読みし、空欄の中に入る単語表現をイメージしておくといいかもしれません。
【Ⅲ】(10問)会話内の空欄に適する文章表現を選択
問題用紙にある2人の会話の中の空欄に入るものを、映像で流れる手話表現から選びます。
空欄の位置は、A、Bどちらの場合もあります。
問題用紙》
A:将来はどこで暮らしたいですか?
B:( )
映像》①こんにちは ②おはよう ③東京で暮らしたいです ④こんばんは
正解は③
空欄に入る手話表現は単語ではなく、文章なので、難易度は上がります。
問題によっては、少し長めの表現や、少し遠回しな表現の時もあります。
これも、空欄にどんな表現が入れば会話が成り立つのか、少し先読みしてイメージしておくとよいでしょう。
【Ⅳ】(5問)性質の異なる単語を選択
映像で4つの手話単語が流れ、その中から性質の異なる単語を選択肢から1つ選びます。
映像》①母 ②父 ③姉 ④了解です。
問題用紙》①映像 ②映像 ③映像 ④映像
正解は④
【Ⅴ】(15問)長文を読み取り、正しいものを選択
【Ⅴ】は、[A][B][C]にわかれており、それぞれ、長文の映像が2回流れ、その内容に関する選択問題が5問ずつ用意されています。
ただし、[A][B]は問題文が問題用紙に書かれていますが、[C]は書かれておらず、問題文として手話表現の映像が一度だけ流れます。
映像》私は山田と申します。ピアノを弾くのが大好きです。毎週日曜日には、家族でピアノのコンサートに出かけます。好きな作家はバッハです。…(本当はもっと長いです)
問題用紙》山田さんの趣味はなんですか?
①ピアノ ②テニス ③料理 ④サッカー
正解は①
[A][B]に関しては、問題文が解答用紙に書かれている為、読み取らなければならないところをしっかりと押さえ、準備しましょう。
また、選択肢が単語ではなく、文節、文章と長めの場合が多いので、自分の知っている単語を拾い、これがきたらこの選択肢という思考法を整理しておくとよいでしょう。
選択肢の手話表現をイメージしましょう
長文の選択肢は、キーワードとなる単語をイメージしておきましょう
同じ字数の似たようなカタカナが並んでいたら、指文字のイメージ、判断方法の整理を行いましょう
選択肢》
①お花が大好きです →花、好き
②疲れてしまいました →疲れる
③とても広かったです →とても 広い
④また行きたいです →また いく したい
[C]は、問題用紙に問題文の記載がありません。問題文は、本文の映像が2回流れた後、1度だけ流れます。
映像》私は山田と申します。ピアノを弾くのが大好きです。毎週日曜日には、家族でピアノのコンサートに出かけます。好きな作家はバッハです。…(本当はもっと長いです)
映像》(手話表現のみ) 解答用紙に記載なし
問題用紙》①ピアノをひくことです ②毎週日曜日 ③バッハ ④サッカー
ずばり、この設問の鍵は疑問の表現です。「どこ」「誰」「いつ」「何曜日」など疑問の表現をしっかりと頭にいれておきましょう。
そのうえで、選択肢を見て、「この疑問表現がきたら、この選択肢」というように予測をたてることが大切です。
手話技能検定3級合格に向けた勉強法
公式サイトで試験範囲集をダウンロード
まず、手話技能検定公式サイトから、「試験範囲集」をダウンロードしましょう。(もちろん無料です。)
これで、6級~2級までの単語と例文の出題範囲を手元に置くことができます。
これは、今後学習を進めていく中で、自分の進度や知識の定着率を計るものさしであり、合格の為に不足している知識を知る為のツールにもなります。
実際の手話の表現方法が載っているわけではないので、これを見て学習するというものではありません。
・公式問題集などで学習をしつつ、定期的に試験範囲集を確認し、まだ知らない表現があったら、ネットなどで調べ、知識として定着させる。
公式テキストで試験範囲の単語を暗記
みなさん、必ず公式テキストを購入して学習しましょう。なぜなら、そこに試験に出る手話単語が載っているからです。
この手話技能検定は、手話単語を知っているかどうかが合否を分けます。
実際、【Ⅰ】(10問)、【Ⅱ】(10問)、【Ⅳ】(5問)の計25問は完全に単語の問題です。
そして、それ以外の長文も、手話単語の組み合わせであり、単語を知っていなければ正解にたどり着くことができません。
手話の単語数は、全部で8000~10000と言われています。そのうち、手話技能検定3級の試験範囲の単語数は1000語です。
つまり、範囲を確認せずやみくもに勉強していたら、試験範囲外の部分ばかりやっていた、なんてことも十分にあり得ます。
ですから、公式テキストに沿って、しっかりと範囲を押さえて単語を習得していくことが、とても大切なのです。
筆者は、公式テキストを購入せず、Youtubeの視聴だけで受験し、本番知らない単語ばかりで、撃沈した経験があります。もちろん、不合格でした。
そして、次の受験は公式テキストを購入して学習し挑んだところ、本番は知っている単語ばかりで、、、合格できました。
Youtubeで動画をみて、読み取り力強化
手話表現は、手話単語の組み合わせです。つまり、単語が頭に入ってきたら、次はそれが組み合わさった文章を読み取る力を鍛えていく必要があります。
実際、手話技能検定試験3級の【Ⅲ】、【Ⅴ】の計25問は、文章を読み取る問題です。
実際の手話表現はとても早く、
一つ一つの単語の意味は考えれば分かるが、それが文章の中で速いスピードで表現されると、ぜんぜんついていけない
これが非常に多いです。
特に最後の【Ⅴ】の長文の読み取り問題(15問)を正答する為には、日頃から手話の表現方法とスピードに慣れていくことが必要不可欠です。
そこで、本当におすすめなのが、「Youtube視聴」なのです。
「手話 勉強」などで検索をかけて、出てくる動画を片っ端から見ていきましょう。
そして、出来るときは、その表現を真似してみるのもおすすめです。
筆者のおすすめ動画を一部紹介します↓
続けていくと、
手話表現の知識が格段に増える
よく使われる表現がわかる
スピードに慣れる
知らず知らずのうちに単語量が増える
など様々な効果があります。
数字、指文字の訓練
手話技能検定を受けている中で、ほとんどの受験者が痛感すること、それが「数字、読み取れない…」「指文字、速すぎ!」です。
数字表現や指文字は、表現自体がわかっているのに、早すぎてついていけない、読み取れない このパターンが圧倒的に多いです。
この問題を乗り越える方法の1つが、数字、指文字の表現訓練です。
日常生活の中で、目に入ったものを指文字で表現していく
数字も同じようにやっていきましょう。
TOEICの勉強をしていく中で、「自分が話せない英語は聞き取れない」という考え方のもと、音読やシャドーイングをしていきますよね。
それと同じです。
「自分が表現できない手話は、読み取れない」
指文字を表現を読み取る為には、自分が表現する力を日常的に鍛えていくことが、近道なのです。
ニュースの中の手話通訳をチェック
ニュースの中で手話通訳をしている人の表現を見る習慣をつけましょう。
これは、手話学習者でなく、実際に手話を利用している人に向けたものなので、実用的な手話表現を学べますし、スピードに慣れることにもつながります。
また、ニュースをつけると自然に入ってくることになるので、勉強のきっかけになります。
いかがでしたでしょうか?