CAになりたい

【コロナ禍】だけど、やっぱりCA(客室乗務員)になりたいあなたへ

【コロナ禍】だけど、やっぱりCA(客室乗務員)になりたいあなたへ

 

飛行機こんにちは。現役客室乗務員のyです。
今日は、CAを目指している方々に向けて書きます。

ご存じの通り、航空業界は今、とても厳しい状況にあります。
航空需要は一時期よりほんの少し戻りつつありますが、
私の月のフライト時間は、2021年1月現在もコロナ以前の4分の1程度です。

コロナ禍で就職活動をされた方、またこれから就職活動をされる方の中には、
航空業界に憧れ、CAを目指し、様々な努力を重ねてこられた方々も多くいらっしゃると思います。

やりきれない気持ちや、絶望感の中にいる方も多いのではないでしょうか。

私もある時期からCAになると決め、がむしゃらにあがいた一人なので、皆様の気持ちが痛い程、わかります。(わかったつもりでいるだけで、皆様は想像以上に苦しい思いをされているのだと思います。)

今、またコロナウイルスの被害が深刻化しつつあり、
命と天秤にかけた時、
航空業界の需要回復の兆しはまだ見えないというのが現状です。

私もフライトの減少により、お給料が3分の1程度少なくなったり、昇進が思うように進まなかったりと、もどかしい日々が続いています。

そんな悶々とした日々の中で、航空業界を目指していた方々の声をニュースで知り、胸がいっぱいになりました。

未熟ながら現役CAとして、少しでもに何か伝えられたらと思い、筆をとっています。

他の業界を経験し、航空業界にいく意義

私は新卒で航空業界に入りましたが、周りには既卒入社の方々も沢山いらっしゃいます。
看護師、営業職、秘書、、、その出身は様々です。

その方々に前職のことを聞くと、「えー、特に話すことないよー」と渋りながらも、なんだかんだ、いきいきとお話される印象です(^^)
新卒の私は、素直に「すごいなぁ」という気持ちになります。
この人は、おもてなし以外の世界を知っているのだと。

CAになって、磨かれたことは…
身だしなみ、立ち居振る舞い、敬語や話し方、語学、処世術(笑)、沢山あります。

ですが、コロナ禍において、人との接触を避けなければばらばい状況の中、こうして仕事の機会が減っていった時、CAという職業は、1人では何もできないということに改めて気づくのです。
会社に属し、制服を与えられ、フライトが組まれ、仲間がいて、様々なサービスアイテムがあって初めて、仕事ができるんですね。

他の業界だって、会社に属していればそうだろうという方もいるかもしれません。たしかにその通りです。ですが、CAという仕事が専門職とよばれることからもわかるように、身につけたサービスや保安に関する知識や能力は、資格や業績として証明しづらく、他の業界で生かしづらいのではないかと感じます。おもてなしを仕事にしている方の宿命かもしれませんね。

ですから、自分の身一つで何か価値を提供できるものがある方や、どこの業界や地域でもある程度共通して生かせる技能や資格がある方は、強いなぁと、正直、感じています。

人生はきっと長いです。この先もどんなことが起こるかわからない。

CAとして働けるということは、人の行き来において脅威がなく、身体が健康で、子供がいたら周囲に助けてもらえる環境があり、とやっぱり色々な条件がそろってのことです。

だからこそ、航空業界に入る前に、他業界でそういうどこでも通ずる自分の【個】としての能力を磨いていくことは、今後の人生の可能性を広げてくれる、とても有益なことだと思います。

そして、経験を積んで航空業界に入った時
CAとしても、人間としても、一目置かれるような魅力的な人に近づいているんじゃないでしょうか。

私は、既卒の先輩方は、視野が広く、なんだか余裕があって素敵だなと、常々感じています。

悲しさ、悔しさは、最高の翼

飛行機の翼

悔しさ、苦しさ、辛さ程、原動力になる感情はない

私は常々そう感じています。ここからは、少し個人的な話になってしまうので、飛ばしていただいても構いません。

皆様にとって、これまでの人生の中で一番誇らしい出来事はなんですか?

スポーツで活躍したこと、中学受験や高校受験に合格したこと、ダイエットに成功したこと、、人によって様々だと思います。

私は、部活動を頑張ったことです。

中学生の時、友達に誘われてバスケットボール部に入りました。運動神経が中の下だった私は、レギュラーになる日を夢見て、毎朝一番に体育館に行き、走り込みとシューティングをしていました。

ですが結果は…
中学高校の6年間のバスケットボール生活の中のほとんどを、補欠としてベンチを温め続けることで終えたのでした。当時の私には、バスケが下手なことが常に頭を占めており、劣等感の塊でした。

ですが、今は思います。

劣等感や悔しさ、悲しみほど『原動力』を生むものはない

のです。

1年目の大学受験に失敗し仮面浪人した時、就職活動の面接で落ち続けていた時、お客様を怒らせ、上司にも叱られ部屋で泣いた時、

「でもあんた、補欠なのに毎朝1番早くコート立ってたじゃん」

いつもそう思います。

頑張って、その努力が報われた経験はいくつかあります。ですが【報われない中で諦めずに頑張り続けられた経験】こそが私の人生の一番の誇りであり、今でも人生の節々で力をくれます

この話は学生時代の話ですし、今航空業界を目指している方々は、比べものにならない程、悔しくてやるせない気持ちでいると思います。

ですが、この悲しい・悔しい・絶望』は、他のどんな感情よりも、私たちのパワーになると思うんです。鼻水や涙でぐちゃぐちゃになった顔で誓った決意ほど、強くて熱い思いはないと思うんです。

オリンピックは来年開催される予定です。世界中の人々が、新しい出会いに飢えています。
ワクチンの実用化が進みつつあります。航空需要はいつか必ず戻ります。

その時、

CAとして日本や世界を飛び回り活躍する自分の姿を信じて
今できることを精一杯やってみませんか?

英語、中国語、韓国語、フランス語、手話、ワインエキスパート、ダイエット、、
CAとして活躍する際の自分の武器を、悲しみから生まれた熱情で、思いっきり磨いてみませんか?

いつか、今を振り返った時、「コロナはほんと最悪だったけど、まあそのおかげで頑張れたよね(・ω・)」そう言えるといいですよね。

私は、皆様といつかフライトできる日を心から楽しみにしてます。皆様と仲間になれるように、航空需要が少しでも戻るように、本当に微力ですが、全力を尽くします。

だから、その日までお互い、
悔しさを翼に変えて、高みを目指し続けましょう。

航空業界だけが唯一の正解ではない

青い綺麗な海航空業界を目指すことが、必ずしもたった一つの正解ではないと思います。

私は新卒で航空業界に入りましたが、周りには既卒入社の方々も沢山いて、看護師、営業職、秘書、、、その出身は様々です。

『転職してよかったですか?』何気なくと伺うと、うなずく人、考える人、それぞれいらっしゃいます。

ですが最終的には「今も楽しいけれど、前の仕事もよかったよ」そんな風に答えられる方が多いように思います。

その理由をずらっと挙げると

  • 「今の仕事(CA)は自由な時間が多いが、時差や不規則な生活はつらい」
  • 「沢山のお客様に会えるのもいいけれど(CA)、限られたお客様と長い時間を掛け
    て関係を築いていくのもやりがいがあった(営業、看護師、秘書)」
  • 「毎回はじめましての方と仕事をすることに、プレッシャーを感じる(CA)」
  • 「頑張って働いたら、パリに着いた!こんなに楽しい仕事はない(CA)」

本当に色んな考え方があって、興味深いです。

航空業界と他の業界を経験した先輩方が、航空業界の良さもそれ以外の業界の良さもそれぞれ口になさるということは、航空業界は【特別な業界】ではないということです。

「そんなことわかってるよ」とお思いでしょうか?(^^)
私自身はCAを目指している時、航空業界は憧れのキラキラした世界だとどこか盲目的に思っていました

そして今も、航空業界が、そしてCAという仕事が大好きですが、
航空業界の、良い面も悪い面も、理解しています。
航空業界は、唯一無二の業界ではなく、あまたある業界の1つです。

ですから、航空業界を目指すことも、またそれ以外の場所で生きることも、自分の心で納得して決めたことならば、どちらも正解なのだと思います。

CAになってよかったか?

ここまで、広い視野で客観的に捉えるために、CAや航空業界についてマイナスともとれる面もお話して参りましたが、
私自身はやっぱりCAになってよかったと思っています。

CAに憧れていた頃よりも、現実的な面も知った上で、それでもCAになってよかったと思うのです。

CAに憧れて目指していた頃、CAは綺麗で優雅で、英語を話せて、世界中を飛び回っていて、と夢のようにキラキラした世界を想像していました。

それは今でも変わりません。6割ほどは。

ですがその裏には、当たり前ですが、大変なことも沢山あります。

  • 不規則な生活
  • 毎回初めましての方とフライトする緊張感
  • 平等な評価制度の難しさ(CAに限った話ではありませんね)
  • 業務がルーティンワークと感じてしまう可能性

今は、そういう現実的な面を経験してなお、CAになってよかったと思います

私が思うCAの魅力は沢山ありますが、一番大きいのは

世界をみれること、
CAとして上を目指すことで、自分が磨かれると感じること

この2つでしょうか。

白鳥のように水面下で足をばたつかせながら、
優雅にすいすいと泳いでいく。
その過程が、たまらなく泥臭く、そして美しい。

それが客室乗務員という仕事の真の魅力なのだと私は思います。

最後に

コロナという未曽有の状況下で、
航空業界、CAを目指す過程で生じた悲しさ、悔しさ、色んな思いを
翼に変えて、飛躍しましょう。

私は、皆様の思いを日々噛みしめ、一刻も早く航空業界を盛り上げ、皆様と一緒にフライトし、共に日本や世界を元気にしたいという思いで、微力ながら全力を尽くします。

皆様の未来に、幸あれ。

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